勤怠管理ツール導入時、従業員の登録作業を省ける仕組みがある
勤怠管理ツールを導入する際、従業員1人ずつにID・パスワードを発行して登録してもらう作業が負担になっているなら、その作業自体を省ける仕組みを選ぶという方法があります。ツールによっては、管理者が従業員名だけを登録し、発行された招待URLを送ることで、従業員側はメールアドレスやパスワードの登録なしにURLを開いて利用を始められる仕組みを備えているものもあります。ただし、こうした対応の有無や具体的な手順はツールごとに異なるため、導入前に自社が検討しているサービスの仕様を確認する必要があります。この記事では、なぜ登録作業が負担になるのかという前提を整理したうえで、URL招待による導入の手順と、つまずきやすいポイントを順番に説明します。
この記事は、従業員へのID発行やアカウント登録の手間を避けたい管理者に向けて、「登録作業なしで使える勤怠管理の仕組み」という1点に絞って解説します。
なぜ従業員の登録作業が負担になるのか
勤怠管理システムを導入しようとすると、多くの場合、従業員ごとにメールアドレスを集め、ID・パスワードを発行し、初回ログインの案内をするという準備作業が発生します。特にアルバイトやパート、アルバイトの入れ替わりが多い現場では、この初期登録のたびに同じ作業を繰り返すことになります。
この負担には、主に次のような要因があります。
- 従業員全員分のメールアドレスを把握・収集する必要がある
- パスワードの初期設定や再発行の問い合わせ対応が発生する
- スマートフォンの操作に不慣れな従業員への説明が必要になる
- 退職・入社のたびにアカウントの作成・削除作業が発生する
特に、スマートフォンやITツールの操作に慣れていない現場では、「アプリをインストールしてアカウントを作る」という工程そのものが導入のハードルになることがあります。テレワークやシフト制の現場で勤怠管理のデジタル化を検討する企業が増えている背景には、こうした登録の手間をできるだけ省きたいという事情も関係していると考えられます。勤怠管理そのものについては、紙の勤怠管理からデジタルへ切り替える手順でも整理していますので、あわせて確認してみてください。
なお、テレワーク時でも始業・終業の時刻を把握する必要がある点は、厚生労働省のモデル就業規則でも触れられています。出典: 厚生労働省「テレワークモデル就業規則」
アカウント登録不要で使える勤怠管理の手順
ツールや設定によっては、従業員側のアカウント登録を省いた状態で、管理者側の準備を中心に従業員が打刻を始められる場合があります。ただし、実際の利用開始までの流れや前提条件(端末環境や初回の本人確認手順など)はツールによって異なります。具体的な流れの一例は次のとおりです。
手順1: 管理者が従業員名を登録する
まず管理者が、勤怠管理ツールの管理画面で従業員の氏名を登録します。この段階ではメールアドレスやパスワードの入力を求められない仕組みもあり、氏名(必要に応じて所属や雇用形態)の登録だけで次の工程に進めます。
手順2: 招待URLを発行する
従業員名の登録が完了すると、その従業員専用の招待URLが発行されます。このURLは1人につき1つ割り当てられ、他の従業員と共有するものではありません。URLのほか、QRコードや招待コードの形で発行できる仕組みもあります。
手順3: 従業員にURLを送付する
発行した招待URLを、チャットツールやSMS、メールなど普段使っている連絡手段で従業員に送付します。この時点では従業員側に特別な準備は必要ありません。
手順4: 従業員はURLを開くだけで利用開始する
ツールによっては、従業員が送られてきたURLをタップして開くことで、アカウント作成やパスワード設定の工程を経ずに打刻画面にアクセスできる場合があります。ただし、端末の初期設定や初回アクセス時の確認手順が必要になることもあり、対応は仕組みごとに異なります。例えば、従業員が受け取った招待URLをスマートフォンのブラウザで開くと、画面の案内に沿ってホーム画面にアイコンを追加でき、以降はそのアイコンをタップするだけで出勤ボタンを押せる状態になる、という流れが一例として挙げられます。
招待URL・QRコード・招待コードを1人専用で発行する仕組みを備えたツールでは、メールアドレスの登録やパスワード設定を省いたまま打刻を始められる場合があります。ただし、本人確認の方法や対応端末の条件はツールによって異なるため、導入前に仕様を確認することをおすすめします。
つまずきやすい点
URL招待による導入は手順自体はシンプルですが、実際の運用では次のような点でつまずくことがあります。
URLの共有方法
招待URLは1人専用のものなので、グループチャットなどで全員に同じURLを一斉送信すると、他人のURLを誤って使ってしまう可能性があります。個別のDMやSMSなど、1対1で届く手段を使って送付する方法が確実です。
端末ごとの操作の違い
ホーム画面への追加手順は、スマートフォンのOS(iOS・Android)によって操作方法が異なります。URLを送る際に、簡単な操作手順をあわせて案内しておくと、従業員からの問い合わせを減らせる場合があります。
URLの有効期限や再発行
招待URLに有効期限が設定されているツールもあります。従業員がURLを開くタイミングが遅れて期限切れになった場合は、管理者側で再発行が必要になることがあるため、送付後にすぐ開いてもらうよう一言添えておくと安心です。
招待URLは1人専用であるため、複数人での使い回しは避け、個別に送付する運用を徹底することが大切です。
ツールで楽にする選択肢
登録作業を省きたい場合、こうしたURL招待の仕組みを備えた勤怠管理ツールを選ぶという方法が選択肢の一つとして挙げられます。例えば、招待URL・QRコード・招待コードのいずれかを従業員1人専用で発行でき、メールアドレス登録やパスワード設定を必要としないツールもあります。打刻の方法としては、GPS機能を使ったワンタップ打刻に対応しているツールもあり、外出先や複数拠点での勤務記録を検討する際の選択肢の一つになり得ますが、位置情報の取得精度や対応端末・通信環境による制約はツールごとに異なるため、自社の利用シーンに合うか事前に確認することが望ましいといえます。
こうした仕組みを持つツールの一つに「CalmCraft(仮称)」のようなサービスがあり、従業員3人までは無料で利用できる料金体系を採る例もあります。ただし、登録不要の仕組みや無料枠の範囲はツールによって異なるため、自社の従業員数や運用方法に合わせて、他の選択肢もあわせて比較検討することが望ましいといえます。小規模な事業者向けの選び方については、小規模事業者が無料で使える勤怠管理の選び方でも取り上げていますので、あわせてご確認ください。
ツールを選ぶ際は、「登録不要かどうか」だけでなく、打刻方法(GPS対応の有無など)や料金体系、従業員数の上限もあわせて確認しておくと、導入後の運用イメージを持ちやすくなります。
まとめ
従業員の登録作業を省いて勤怠管理を始めたい場合、管理者が従業員名を登録し、1人専用の招待URLを発行して送付するだけで、従業員側はURLを開くだけで打刻を始められる仕組みがあります。URLの共有方法や端末ごとの操作の違いにはつまずきやすい点があるため、個別送付や簡単な操作案内を添えることが運用をスムーズにするポイントになります。導入の際は、こうした登録不要の仕組みを備えたツールを選択肢の一つとして比較検討してみてください。