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勤怠管理のデジタル化

紙のタイムカードを廃止する具体的な手順

公開日: 2026.10.21読了目安: 7分
紙のタイムカードを廃止する具体的な手順

紙のタイムカードを廃止する具体的な手順は、①記録の保存・引き継ぎなど前提を確認する、②従業員への周知を行う、③新しい記録方法を選定して切り替える、④一定期間は紙と新方式を並行運用する、⑤問題がなければ紙を完全に終了する、という流れになります。思いつきで打刻機を撤去してしまうと、過去の記録の扱いや従業員の混乱といった問題が起きやすいため、順を追って進めることが大切です。本記事では、この手順を一つずつ具体的に説明します。

タイムカードの廃止自体は、労働時間を適切に記録・管理できる代替手段があれば問題ないとされています。重要なのは「廃止すること」ではなく「どう記録を引き継ぐか」です。

坂本大輔 | CalmCraft運営者

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手順に入る前に確認しておきたい前提

勤怠管理デジタル化を進める際、最初に確認すべきことが2つあります。

過去の記録の保存義務

タイムカードなどの労働時間に関する記録は、労働基準法第109条に基づき一定期間保存することが求められています。保存義務の対象には、タイムカードの記録そのものや、使用者が自ら記録した始業・終業時刻なども含まれるとされています出典: 厚生労働省「使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」。

また、労働安全衛生規則においても、労働時間の状況を客観的な方法で把握し、その記録を一定期間保存するための措置を講じることが事業者に求められています出典: 厚生労働省「労働時間制度について」。

具体的な保存期間や保存方法、紙からデータへ移行した際の記録の取り扱いは、事業所の状況によって判断が分かれる部分もあります。廃止を検討する段階で、最新の内容は、社会保険労務士や最寄りの労働基準監督署にご確認ください。

廃止後にどう記録を残すかを先に決める

タイムカードをやめる前に、「何で労働時間を記録するか」を先に決めておく必要があります。厚生労働省の調査では、勤務管理システムへの自己申告入力や、PC・スマートフォンの使用ログによる管理など、タイムカード以外の方法で労働時間を把握しているケースが一定数確認されています出典: 厚生労働省「労働時間制度等に関するアンケート調査結果について(速報値)」。記録方法の候補としては、勤怠管理システム、ICカード、スマートフォンのアプリ打刻などが挙げられます。

タイムカード廃止の手順

前提を確認したら、以下の順番で進めます。

手順1: 従業員への周知

いつから紙のタイムカードをやめるのか、新しい記録方法は何か、打刻方法がどう変わるのかを事前に伝えます。特に高齢のスタッフやITツールに不慣れな従業員がいる現場では、口頭だけでなく掲示物や配布資料を併用すると、伝達漏れを減らせる場合があります。

  • 廃止の時期を従業員全員に伝える
  • 新しい打刻方法の操作手順を資料にまとめる
  • 質問や不安を受け付ける窓口・期間を決める

手順2: 新しい記録方法への切り替え準備

勤怠管理システムやアプリへの移行を選ぶ場合、従業員の登録作業やアカウント発行が必要になることが一般的です。この段階で、どのツールを使うか、誰が初期設定を担当するかを決めておきます。シフト管理を紙やLINEで行っている現場であれば、現場のシフト管理をLINEだけで完結させる方法のように、周辺業務のデジタル化と合わせて検討する方法もあります。

手順3: 並行運用期間を置く

いきなり紙を廃止するのではなく、一定期間は紙のタイムカードと新しい記録方法を並行して運用することで、打刻漏れや集計のずれに気づきやすくなります。並行期間の長さは職場の規模や従業員の習熟度によって異なるため、一律の日数を決めつけず、管理者が打刻状況を見ながら判断する方法もあります。

並行運用期間を設けずに一気に切り替えると、打刻忘れや操作ミスが集中し、給与計算の段階で混乱が生じる場合があります。

手順4: 運用状況を確認し、紙を終了する

並行運用の中で、打刻漏れや操作トラブルが一定程度落ち着いたことを確認してから、紙のタイムカードと打刻機を正式に終了します。終了のタイミングも、従業員へ事前に周知しておくと混乱を避けやすくなります。

  • 並行運用中の打刻漏れ・エラーを記録しておく
  • 大きな問題がないことを確認する
  • 紙のタイムカード終了日を周知する
  • 打刻機・用紙などの備品を整理する

つまずきやすい点

タイムカード電子化の過程で、特に次のような点でつまずきやすい傾向が見られます。

従業員の登録作業が負担になる

勤怠管理システムによっては、従業員ごとにメールアドレスの登録やパスワード設定など、複数のステップが必要になる場合があります。従業員数が多い現場や、スマートフォンの操作に慣れていないスタッフが多い現場では、この登録作業自体が切り替えの障壁になることがあります。

操作の負担感

打刻のたびに複数の画面を操作する必要があったり、位置情報の許可設定でつまずいたりすると、「紙の方が簡単だった」という声が出ることもあります。操作のシンプルさは、切り替え後の定着に影響しやすい要素の一つです。

打刻忘れ・不正打刻への対応

タイムカードには打刻忘れを知らせる機能がなく、管理者がリアルタイムで打刻状況を把握しにくいという課題が指摘されることがあります。新しい方法に切り替える際は、こうした課題がどの程度解消されるかも、選定時に確認しておく項目の一つになります。

ツールで楽にする選択肢

従業員の登録作業や操作の負担をできるだけ抑えたい場合、招待URLを送るだけで打刻を始められるタイプの勤怠管理システムも選択肢の一つとして挙げられます。

例えば、管理者がダッシュボード上で招待を発行し、そのURLを従業員にメッセージなどで送るだけで、従業員側は個別の登録作業なしに打刻を始められる、という流れのツールもあります。このようなタイプでは、GPS付きのワンタップ打刻や、月次のCSV出力といった機能が備わっているものもあり、給与計算ソフトへのデータ受け渡しをスムーズにしたい場合の候補になります。

ただし、こうした機能の有無や使い勝手はツールによって異なるため、自社の従業員数や現場の状況に照らして、複数の選択肢を比較検討することをおすすめします。小規模な事業者向けの選び方については、小規模事業者が無料で使える勤怠管理の選び方でも触れています。

ツール選びでは「従業員にどれだけ操作を覚えてもらう必要があるか」を基準の一つにすると、導入後の定着度を判断しやすくなります。

まとめ

紙のタイムカードを廃止する際は、前提として記録の保存義務や引き継ぎ方法を確認したうえで、①周知 → ②切り替え準備 → ③並行運用 → ④終了、という順番で進めることが大切です。並行運用期間を設けることで、従業員の登録作業や操作面でのつまずきに早めに気づき、対応しやすくなります。ツールを使う場合も、登録や操作の負担が少ない仕組みかどうかを基準の一つとして検討してみてください。

なお、記録の保存期間や法令上の取り扱いについては、事業所の状況によって判断が異なる場合があります。最新の内容は、社会保険労務士や最寄りの労働基準監督署にご確認ください。

よくある質問

Qタイムカードを廃止すること自体は違法になりますか?

Aタイムカードの廃止自体が違法とされているわけではありません。ただし、労働時間を客観的な方法で記録・管理する必要があるため、代替となる記録方法を用意したうえで切り替えることが前提になります。詳しい取り扱いは社会保険労務士や最寄りの労働基準監督署にご確認ください。

Q紙のタイムカードの記録はいつまで保存すればよいですか?

A労働時間に関する記録には一定の保存義務があるとされていますが、具体的な保存期間や起算点の扱いは状況によって異なる場合があります。最新の内容は、社会保険労務士や最寄りの労働基準監督署にご確認ください。

Q並行運用の期間はどのくらい設ければよいですか?

A一律の目安があるわけではなく、従業員の人数や新しい打刻方法への慣れ具合によって異なります。打刻漏れや操作トラブルの発生状況を見ながら、管理者が終了のタイミングを判断する方法もあります。

Q従業員がITツールの操作に慣れていない場合はどうすればよいですか?

A操作手順を資料にまとめて配布したり、質問を受け付ける窓口を設けたりする方法があります。また、招待URLから登録不要で打刻を始められるなど、操作がシンプルなタイプのツールを選ぶことも一つの対策になります。

招待URLを送るだけで切り替えられます

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坂本大輔 | CalmCraft運営者

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坂本大輔 | CalmCraft運営者

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