シフトの自動作成は、①曜日ごとの必要人数を設定する、②スタッフの勤務可否(希望休を含む)を登録する、③その条件をもとにシステムが自動でシフト案を生成する、という3ステップで進めるのが基本的なやり方です。エクセルや紙での手作業と違い、条件を一度登録してしまえば毎週・毎月の組み方自体をシステムに任せられる点が最大の違いになります。この記事では、店長・現場責任者の方向けに、実際の操作フローに沿った具体的な設定手順と、エクセルとの違い、希望休の反映方法、人数配置の計算の考え方までまとめて解説します。
シフト自動作成のやり方、エクセルとの違いも解説

坂本大輔 | CalmCraft運営者
小規模事業者の困りごとを、小さな業務ツールにしています。マイクロSaaSから、AIや音声を使うものまで、いろんな形で作っています。
シフト自動作成とは何か、エクセル管理との違い
シフト自動作成とは、曜日・時間帯ごとに必要な人数やスタッフの出勤可否といった条件をあらかじめ登録しておき、それらの条件を満たすシフト表をシステムが自動で組み上げる仕組みを指します。
エクセルや紙でシフトを作る場合、店長や責任者が一人ひとりの希望シフトを見比べながら、手作業で穴埋めをしていくことになります。スタッフの人数が増えるほど、希望休の重複や人数不足に気づくタイミングが遅れ、調整のやり直しが発生しやすくなります。
実際に、20名規模の店舗で紙とLINEを使ってシフト調整をしていた現場では、月末の希望シフト集計だけで毎回3〜4時間かかっていたという例もあります。こうした集計・調整の工数が、シフト自動作成システムでは「条件登録」というまとまった作業に置き換わる形になります。
エクセルのシフト表テンプレートを使うこと自体は悪い方法ではありませんが、テンプレートはあくまで「表の体裁」を整えるものであり、必要人数の過不足チェックや希望休の衝突確認は結局人の目で行う必要があります。自動作成システムは、この「表の体裁」と「条件を満たすかどうかの確認」の両方をまとめて担う点が異なります。
エクセル管理の限界を感じている背景や、紙管理からの切り替えの進め方については、紙の勤怠管理からデジタルへ切り替える手順でも近い観点から整理していますので、あわせて参考にしてください。
具体的な設定手順
ここでは、シフト自動作成システムを使う際の一般的な操作フローを、3つのステップに分けて紹介します。システムによって画面や用語は異なりますが、設定すべき情報の種類自体はおおむね共通しています。
ステップ1:曜日ごとの必要人数を設定する
まず最初に行うのが、曜日ごと・時間帯ごとに「何人必要か」を設定する作業です。これはシフト自動作成の土台となる条件で、ここが曖昧なままだと、後の自動生成の精度にそのまま影響します。
- 曜日ごとの必要人数(平日・土日祝で分ける場合は別々に設定)
- 時間帯ごとの必要人数(ピークタイムと閑散時間帯で分ける)
- 役割・スキルごとの必要人数(例:レジ対応〇名、調理〇名など)
- 最低限必要な人数と、繁忙期に上乗せしたい人数の両方を把握しておく
この必要人数の設定は、いわゆる「シフトの人数配置の計算方法」の出発点にあたります。過去の売上データや来客数の実績がある場合は、それをもとに曜日・時間帯別の必要人数を見積もっておくと、後工程での調整が少なくなります。
ステップ2:スタッフの勤務可否(希望休を含む)を登録する
次に、スタッフ一人ひとりの勤務可否情報を登録します。ここには通常の出勤可能日・不可日に加えて、希望休も含まれます。
- 各スタッフの出勤可能な曜日・時間帯
- 希望休(休みたい日)の登録
- 連続勤務の上限(何日連続まで勤務可能か)
- 1日あたり・週あたりの勤務時間の上限
- 保有スキルや対応可能な業務(必要であれば)
希望休をどう反映させるかは、自動作成システムを使う上で最もよく聞かれる疑問の一つです。多くのシステムでは、スタッフ本人がアプリやWebフォームから希望休を入力し、それが自動的に「勤務不可日」として条件に反映される仕組みになっています。紙やLINEでの希望休収集と違い、入力された内容がそのまま条件として扱われるため、口頭やメッセージでのやり取りを後から集計し直す手間が発生しにくい点が特徴です。
希望休をすべて無条件に反映してしまうと、特定の曜日に出勤できる人がいなくなり、必要人数を満たせない状態が生まれることがあります。希望休の提出期限や、1人あたりの希望休の上限日数をあらかじめ運用ルールとして決めておくことが必要です。
パート・アルバイトのシフト提出に関する運用上の悩みについては、パートのシフト提出忘れを減らす対策でも取り上げていますので、あわせてご覧ください。
ステップ3:条件をもとに自動生成する
必要人数と勤務可否の両方を登録し終えたら、いよいよ自動生成を実行します。システムは、ステップ1で設定した「各曜日・時間帯に必要な人数」と、ステップ2で登録した「各スタッフが勤務可能かどうか」を突き合わせ、条件を満たす組み合わせを計算してシフト案を作成します。
自動生成されたシフト案は、そのまま確定するのではなく、次のような観点で一度確認することが実務上は推奨されます。
- 必要人数に対して不足している日・時間帯がないか
- 特定のスタッフに勤務が偏っていないか
- 連続勤務の上限を超えていないか
- 希望休と実際の割り当てに矛盾がないか
多くのシステムでは、不足がある箇所を赤字やアラートで表示する機能が備わっており、手作業での全件チェックに比べて確認箇所を絞り込みやすくなります。最終的な微調整(急な欠勤対応や個別の相談への対応など)は人の判断が必要になる場面も残りますが、初稿となるシフト案をゼロから手作業で組む工程がなくなる点が、自動作成の実務上の変化といえます。
シフト表テンプレートとの使い分け
「シフト表 テンプレート」で検索した場合、エクセルやスプレッドシートの無料テンプレートを使う方法も多く紹介されています。テンプレートと自動作成システムは、それぞれ向いている場面が異なります。
- エクセル・スプレッドシートのテンプレート:スタッフ数が少なく、希望休の重複や人数不足が目視で把握できる規模の場合に、まず表の体裁を整える手段として使われることがあります。
- シフト自動作成システム:スタッフ数が多く、曜日・時間帯ごとの必要人数や希望休の組み合わせが複雑になってきた場合に、条件を登録して生成までを任せる手段として使われることがあります。
どちらが絶対的に優れているというものではなく、スタッフ数や勤務パターンの複雑さに応じて使い分けを検討する、という考え方が実務的です。エクセル管理そのものが負担になってきたと感じる場合の見直しポイントは、Excel顧客管理がめんどくさい時の原因と対処法でも近い切り口で触れていますので参考になります。
シフト人数配置の計算方法を考えるときの視点
必要人数の設定(ステップ1)を行う際、何を根拠に「何人必要か」を決めるかは店舗によって異なります。一般的には以下のような情報を組み合わせて検討されます。
- 過去の曜日別・時間帯別の来客数や売上実績
- 繁忙期・閑散期の季節変動
- 業務内容ごとに必要なスキルを持つ人数
- 法定休憩や連続勤務の制約を踏まえた配置の余裕
必要人数の見積もりが実態と合っていないと、自動生成されたシフトも実態に合わないものになってしまいます。自動作成システムは「設定した条件通りに組む」仕組みであるため、条件自体の精度がそのまま結果の精度に直結する点には注意が必要です。
シフト制に関する法的な位置づけ
シフト制の運用にあたっては、労働契約や労働条件の明示に関するルールも関係してきます。厚生労働省は、労働契約の締結時点では労働日や労働時間を確定的に定めず、一定期間ごとに作成される勤務シフトで初めて具体的な労働日・労働時間が確定するような勤務形態を「シフト制」として整理し、留意事項を示しています。
いわゆる「シフト制」について…この留意事項で、「シフト制」とは、労働契約の締結時点では労働日や労働時間を確定的に定めず、一定期間(1週間、1か月など)ごとに作成される勤務シフトなどで、初めて具体的な労働日や労働時間が確定するような勤務形態を指します。 出典: 厚生労働省
自動作成システムを使う場合でも、シフト確定後の労働条件の明示や変更時のルールについては、このような留意事項を踏まえた運用が求められます。システム任せにできるのはあくまで「組み方の計算」であり、労務上の取り扱いそのものは別途確認しておく必要があります。
なお、国土交通省が公表している旅客自動車運送事業向けのデジタル化の手引きでも、乗務シフト自動作成システムについて「各種条件を反映した乗務シフトが自動で作成」できる点が、業務効率化に役立つデジタル機器等の一つとして紹介されています。 出典: 国土交通省
LINEなど既存ツールとの連携で迷う場合
すでにLINEでシフト希望を集めている現場では、自動作成システムへの移行に伴って運用を大きく変える必要があるのか、気になる方も多いと思います。この点については、現場のシフト管理をLINEだけで完結させる方法はある?でも、LINE運用の限界や使い分けの考え方を取り上げていますので、あわせて検討材料にしてください。
まとめ
シフト自動作成のやり方は、①曜日ごとの必要人数設定、②勤務可否(希望休を含む)の登録、③条件に基づく自動生成、という3ステップが基本の流れです。エクセルのテンプレートと違い、条件さえ登録すれば組み合わせの計算自体をシステムに任せられる点が大きな違いになります。一方で、必要人数の見積もりの精度や、希望休の反映ルールの整備など、条件設定そのものの質が結果を左右するため、導入後も運用ルールを定期的に見直すことが実務上は重要になります。
よくある質問
Qシフト自動作成システムを導入すれば、調整作業は完全になくなりますか?
A完全になくなるわけではありません。急な欠勤対応や個別の相談への対応など、最終的な微調整は人の判断が必要になる場面が残ります。ただし、必要人数と勤務可否を突き合わせた初稿のシフト案をゼロから手作業で組む工程がなくなる点が、実務上の大きな変化になります。
Q希望休はどのように自動作成システムへ反映されますか?
A多くのシステムでは、スタッフ本人がアプリやWebフォームから希望休を入力し、それが自動的に勤務不可日として条件に反映される仕組みになっています。ただし、希望休をすべて無条件に反映すると特定の曜日に出勤できる人がいなくなることがあるため、提出期限や上限日数などの運用ルールを決めておく必要があります。
Qシフト表のエクセルテンプレートと自動作成システムはどちらを使うべきですか?
Aどちらが絶対的に優れているというものではなく、スタッフ数や勤務パターンの複雑さに応じた使い分けが実務的です。スタッフ数が少なく目視で希望休の重複や人数不足が把握できる場合はテンプレート、複雑になってきた場合は自動作成システムが候補になります。
Q必要人数はどうやって決めればよいですか?
A過去の曜日別・時間帯別の来客数や売上実績、繁忙期・閑散期の季節変動、業務内容ごとに必要なスキルを持つ人数などを組み合わせて見積もる方法が一般的です。必要人数の見積もりの精度が、自動生成されるシフトの精度にそのまま影響します。
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坂本大輔 | CalmCraft運営者
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