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確定申告の経費整理

確定申告に向けた領収書電子化のやり方【手順でわかる】

公開日: 2026.11.05読了目安: 9分
確定申告に向けた領収書電子化のやり方【手順でわかる】

確定申告のために紙の領収書を電子化する方法は、大きく分けると「スキャナまたはスマホで読み取る」「検索できるようファイル名や索引簿を整える」「必要に応じて原本を保管・処分する」という流れになります。この記事では、個人事業主が自分で領収書を電子化する際の具体的な手順と、つまずきやすいポイントを順番に説明します。

結論として、領収書の電子化は「①スキャンまたは撮影する」「②ファイル名を規則に沿って付ける」「③索引簿にまとめる」という3ステップが基本になります。制度上の正確な要件は変更されることがあるため、最新の内容は国税庁 電子帳簿保存法特設サイトでご確認ください。

坂本大輔 | CalmCraft運営者

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前提の確認:領収書を電子化して何をする必要があるか

領収書を電子化する目的は、単に紙をデータに変換することではなく、「確定申告や税務調査の際に、必要な領収書をすぐに検索・提示できる状態にすること」にあります。この検索性を確保する考え方は、電子帳簿保存法(以下、電帳法)という法律に基づいています。

電帳法では、紙で受け取った領収書やレシートをスキャナやスマホのカメラで読み取って保存する方法を「スキャナ保存」と呼びます。国税庁の資料では、スキャナ保存について次のように説明されています。

紙の領収書・請求書などは、その書類自体を保存する代わりに、スキャナ保存の様々なルールを満たして保存するため、対応ソフト等を使用することが一般的です。読み取った後の紙の書類を廃棄できるので、紙の書類のファイリング作業や保存スペースが不要になります。出典: 国税庁

また、電子データを検索できる状態にする方法として、ファイル名に規則性を持たせる方法が紹介されています。

データのファイル名に規則性をもって「日付・取引先・金額」を入力し、特定のフォルダに集約しておくことで、フォルダの検索機能が活用できるようにする方法(例)2023年1月31日に、㈱AからPDFファイルで受け取った100,000円の請求書なら、「20230131_㈱A_100000」出典: 国税庁

つまり、確定申告のために領収書をPDF化・画像化するだけでは不十分で、「日付・取引先・金額」で検索できる状態まで整える必要がある、という点が前提になります。この検索要件を満たすための具体的なファイル名の付け方については、電帳法に沿った領収書ファイル名の付け方【手順でわかる】でも詳しく整理しています。

電帳法の要件は改正されることがあり、タイムスタンプの要否や保存期間の扱いなど細かい条件は年度によって異なる場合があります。本記事は一般的な流れの紹介にとどめているため、適用の可否は必ず国税庁 電子帳簿保存法特設サイトでご確認ください。

領収書電子化の手順

ここからは、紙の領収書を電子化して確定申告に使える状態にするまでの手順を順番に説明します。

手順1:領収書をスキャンまたは撮影する

まず、紙の領収書をスキャナまたはスマホのカメラで読み取り、PDFやJPG・PNGなどの画像データにします(領収書のPDF化)。複合機のスキャナ機能を使う方法もあれば、スマホの標準カメラやスキャンアプリで撮影する方法もあります。読み取る際は、金額や日付、取引先名の文字がつぶれず読み取れる解像度にしておくことが望ましいとされています。

  • 領収書全体が写っている(端が切れていない)
  • 金額・日付・取引先名の文字が判読できる
  • 一枚の領収書につき一つのデータになっている

手順2:ファイルに規則性のある名前を付ける

次に、読み取ったデータに「日付・取引先・金額」がわかるファイル名を付けます。前述の国税庁資料の例のように、「20230131_株式会社A_100000」のような形式にしておくと、フォルダの検索機能だけでも該当する領収書を探しやすくなります。

ファイル名のルールを事前に決めておくと、後から見返したときに統一感が保てます。日付の表記(西暦8桁か、年月日を区切るかなど)や、取引先名を正式名称にするか略称にするかといった点は、最初にルールとして固定しておくと迷いが少なくなります。

手順3:索引簿(一覧表)にまとめる

ファイル名だけでも検索は可能ですが、件数が多くなると一覧性が下がります。そこで、日付・取引先・金額・ファイル名などを一覧にした「索引簿」をExcelやスプレッドシート、CSVなどで作成しておく方法があります。索引簿を作っておくと、確定申告の際に経費の内訳を確認したり、税理士に提出したりする場面で、領収書データを探しやすくなります。

手順4:原本の保管・処分を検討する

スキャナ保存の要件を満たした形でデータを保存できた場合、紙の原本を処分できる場合があります。ただし、スキャナ保存を始める前に作成・受領していた重要書類(過去分重要書類)を遡ってスキャナ保存する場合には、あらかじめ税務署への届出書の提出が必要になるとされています。どの範囲までが届出の対象になるか、不安がある場合は国税庁 電子帳簿保存法特設サイトや税理士に確認しておくと安心です。

原本をすぐに処分してよいかどうかは、読み取りの要件(解像度、タイムスタンプの要否など)を満たしているかどうかによって変わります。不安がある場合は、原本をしばらく並行して保管しておく方法も検討できます。

つまずきやすい点

領収書の電子化を自分で進める際に、次のような点でつまずくことがあります。

ファイル名の付け忘れ・表記ゆれ

スキャンや撮影をした直後はファイル名を付けるつもりでも、枚数が増えてくると「IMG_0001.jpg」のような初期設定のままになってしまうことがあります。また、同じ取引先でも「株式会社A」「(株)A」のように表記がばらつくと、後から検索したときに同一の取引先として探し出しにくくなります。

索引簿への転記漏れ

ファイル名を付けたあと、索引簿への転記を別作業として行う場合、転記を忘れたり、金額や日付の入力ミスが起きたりすることがあります。特に月末や確定申告の直前にまとめて作業しようとすると、枚数が多くなり転記漏れが起きやすくなります。

画像の解像度不足による読み取りミス

スマホで撮影した際に手ブレや光の反射があると、金額や日付が判読しにくいデータになってしまうことがあります。この場合、ファイル名を付ける段階で金額を読み間違えるといった二次的なミスにつながることもあります。

原本の保管ルールが曖昧なまま運用してしまう

電子化したデータと紙の原本のどちらを正式な保存書類とするかを決めないまま運用すると、確定申告の時期になって「どちらが最新の正しい情報か分からない」という状態になることがあります。電子化を始める段階で、原本をいつまで、どのように保管するかのルールを決めておくことが前提として重要になります。

ツールで楽にする選択肢

ここまでの手順は、スキャナ・スマホカメラ・Excelなどの既存のツールだけでも進められますが、枚数が多い場合は「スキャンまたは撮影」「ファイル名の入力」「索引簿への転記」という3つの作業を手作業で繰り返すことになり、それぞれの工程で前述したようなミスが起きる余地が生まれます。

こうした手作業の工程について、会計ソフトに付属するスキャン機能や、OCR(文字認識)機能を持つクラウドサービスなど、一部の作業をソフトやサービスに任せる方法も存在します。ファイル名の一括変更や索引簿の作成を支援する専用ツールも選択肢の一つとして挙げられます。

Zero-Renameでできること

Zero-Renameは、PDF・JPG・PNGで保存した領収書データを読み込み、記載されている取引年月日・取引先・金額をAIが抽出する機能を持つツールの一例で、抽出した内容をもとにファイル名の一括変更と索引簿CSVの作成を支援します。対応できるファイル形式や抽出の精度には条件があり、領収書のレイアウトや記載内容の鮮明さによっては、項目を正しく抽出できない場合や、一部の確認・修正が必要になる場合もあります。読み取りの精度は、元データの解像度や記載内容の鮮明さなどによって変動するため、抽出結果は画面上で確認・修正したうえで保存する仕組みになっています。

基本的な操作の流れとしては、/app画面に領収書ファイルをアップロードし、読み取られた取引年月日・取引先・金額の内容を画面上で確認したうえで「一括保存」を押すと、リネーム済みのファイルと索引簿CSVがまとめてダウンロードされる、という形になります。ただし、ファイルの状態や抽出結果によっては、保存前に手動での修正が必要になる場合や、一部の項目が読み取れないまま確認を求められる場合もあります。

この機能は、前述の手順2(ファイル名を付ける)と手順3(索引簿にまとめる)を同時に行う部分を支援するものであり、スキャンや撮影自体、またスキャナ保存の要件を満たすかどうかの判断を代わりに行うものではありません。スキャナ保存の要件に適合させるための設定や運用については、利用するツールのドキュメントや国税庁の案内に沿って確認する必要があります。

ツールを使う場合でも、「日付・取引先・金額」で検索できる状態を作るという電帳法上の考え方自体は変わりません。どのツールを使うかにかかわらず、この検索要件を満たしているかどうかを確認する視点は持っておく必要があります。

まとめ

確定申告のための領収書電子化は、「スキャンまたは撮影する」「ファイル名に日付・取引先・金額を規則的に入れる」「索引簿にまとめる」という3つの手順が基本です。手作業で進める場合は、枚数が多くなるほどファイル名の付け忘れや索引簿への転記漏れが起きやすくなるため、事前にルールを決めておく、作業のタイミングを分散させる、必要に応じて支援ツールの利用を検討するなど、自分の状況に合わせた対策を講じることが望ましいといえます。制度上の要件は変更されることがあるため、実際に電子化を進める際は、国税庁 電子帳簿保存法特設サイトで最新の内容を確認しながら進めることをおすすめします。

よくある質問

Q領収書を電子化したら、紙の原本はすぐに捨ててよいですか?

Aスキャナ保存の要件を満たした形でデータを保存できていれば原本を処分できる場合がありますが、読み取りの解像度やタイムスタンプの要否など満たすべき条件があります。不安がある場合は、しばらく原本を並行して保管しておく方法も検討できます。最新の要件は国税庁 電子帳簿保存法特設サイトでご確認ください。

Qスマホのカメラで撮影した領収書でも電子化として認められますか?

A国税庁の資料では、紙の領収書をスキャナまたはスマホのカメラ機能で読み取って保存する方法が紹介されています。ただし、文字が判読できる解像度であることなど、満たすべき条件があるため、撮影時には金額や日付が読み取れるかを確認しておく必要があります。

Q索引簿は必ず作らないといけませんか?

Aファイル名自体に日付・取引先・金額を規則的に入力し、特定のフォルダに集約しておく方法でも検索要件を満たせるとされています。ただし、件数が多い場合は索引簿を別途作成しておくと、一覧で確認しやすくなる場合があります。

Q過去に受け取った古い領収書もさかのぼって電子化できますか?

Aスキャナ保存を始める前に作成・受領していた重要書類(過去分重要書類)を遡って電子化する場合は、あらかじめ税務署への届出書の提出が必要になるとされています。対象範囲や手続きの詳細は国税庁 電子帳簿保存法特設サイトや税理士に確認することをおすすめします。

PDFもスマホ写真もアップロードで電子化

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