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賃貸管理会社の業務効率化アプリの選び方|退去立会いから着手する理由

公開日: 2026.11.06読了目安: 9分
賃貸管理会社の業務効率化アプリの選び方|退去立会いから着手する理由

賃貸管理会社の業務の中でも、退去立会いにともなう点検記録・原状回復費用の概算計算・署名のやり取りは、特に時間がかかりやすい工程です。業務効率化アプリを探すときは、家賃管理や入居者対応など業務全体を一度に変えようとするのではなく、まずこの退去立会いまわりから着手するという考え方があります。本記事では、賃貸管理会社が業務効率化アプリを選ぶときの観点と比較の軸を整理し、そのうえで退去立会いの記録・計算・署名・PDF出力に機能を絞ったサービスの一つとして「退去レポ」を紹介します。

坂本大輔 | CalmCraft運営者

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なぜ退去立会いから着手するのか

賃貸管理会社の業務は、入居者募集、契約手続き、家賃管理、クレーム対応、退去立会い、原状回復の精算など多岐にわたります。これらすべてを一度にデジタル化しようとすると、導入の検討範囲が広がりすぎて、結局どこから手をつければよいか分からなくなることがあります。

退去立会いは、現地で点検しながら記録を取り、経年劣化を踏まえた原状回復費用を概算し、その場または後日に入居者の署名・確認を得て、点検確認書を書面として残すという一連の作業が発生します。紙の点検表に手書きし、事務所に戻ってから電卓やExcelで計算し、印刷して郵送するといった流れになっている場合、記録の転記ミスや計算の手間、書類のやり取りにかかる時間が積み重なりやすい工程です。

業務効率化を検討する際は、「業務全体を一気に変える」のではなく、「特に時間のかかる工程を特定し、そこから着手する」という順番で考えると、導入の範囲を絞りやすくなります。

原状回復の負担区分の考え方そのものに不安がある場合は、原状回復の負担区分が分からないときの考え方と確認手順もあわせて確認しておくと、立会い時の判断基準を整理しやすくなります。

賃貸管理 業務効率化のアプリを選ぶ観点

賃貸管理会社がアプリを選ぶ際には、まず「どの業務を効率化したいのか」を明確にすることが出発点になります。観点としては、おおむね以下のように整理できます。

  • 対象業務を特定する(退去立会い、家賃管理、入居者対応、契約管理など)
  • 現状どの工程に時間がかかっているかを洗い出す
  • 複数の業務をまとめて扱う総合型にするか、特定の工程に絞った特化型にするかを検討する
  • 無料の範囲で試せるかどうかを確認する
  • 有料プランの料金と、それに見合う機能かを確認する
  • 既存の業務フロー(点検表のフォーマット、署名の取り方など)とどの程度相性が良いかを確認する

総合型のアプリは、入居申込から契約、家賃の入金管理、修繕依頼まで幅広くカバーすることを想定して作られていることが多く、業務全体を一元管理したい場合の選択肢になります。一方で、機能が多い分、実際に使う工程が限られていると、使わない機能のための学習コストや設定の手間が発生することがあります。

特化型のアプリは、特定の工程(たとえば退去立会いのみ)に機能を絞っているため、対象業務が明確であれば導入の検討範囲が狭くなり、既存の他システムと並行して使いやすい場合があります。ただし、特化型である以上、対象外の業務(家賃管理や入居者管理など)は別のツールや従来のやり方で対応する必要があります。

管理会社 DX における比較の軸

管理会社DXを進める際、アプリを比較する軸としては次のような項目が挙げられます。

対象範囲(総合型か特化型か)

業務全体を一元管理したいのか、特定の工程だけを効率化したいのかによって、選ぶべきアプリの性質が変わります。総合型は家賃管理・契約管理・入居者対応まで含むことが多く、特化型は退去立会いや原状回復費用の計算など、工程を限定しています。

料金体系と無料の範囲

無料プランの有無、無料で使える範囲(件数制限、機能制限など)、有料プランに切り替えた場合の料金は、比較する際の基本的な項目です。月額固定か、物件数・利用者数に応じた従量制かによっても、規模によって総コストが変わってきます。

出力形式と既存業務との相性

点検確認書や見積書をPDFで出力できるか、既存の契約書フォーマットや社内の決裁フローに組み込みやすいかも確認しておくべき点です。原状回復の見積もりソフト全般の選び方については、原状回復の見積もりソフトを選ぶときの観点でも整理しています。

署名・本人確認の方法

退去立会いでは、その場での電子署名や、後日オンラインでの確認を求める場面があります。署名機能がアプリ内で完結するか、別の電子契約サービスと連携する必要があるかも確認しておくと、導入後の運用イメージを立てやすくなります。

特化型のアプリを選ぶ場合、対象外の業務(家賃管理、入居者管理、契約更新管理など)は別途対応が必要になります。「このアプリ一つで業務全体をカバーできる」と誤解したまま導入すると、後から運用が崩れる原因になります。

条件別の選び方

退去立会いの記録・計算・署名だけをまず効率化したい場合

退去立会いの工程だけを切り出して効率化したい場合は、点検記録・原状回復費用の概算計算・署名・点検確認書の出力に機能を絞った特化型のアプリが選択肢になります。業務範囲が明確なため、導入時の検討項目が少なく済む場合があります。

入居から退去まで一元管理したい場合

契約管理、家賃の入出金確認、修繕依頼までまとめて管理したい場合は、総合型のクラウド管理システムが候補になります。ただし、総合型は機能範囲が広い分、検討・比較に時間がかかりやすく、社内の運用フローを合わせて見直す必要が出てくることもあります。

複数拠点・複数担当者で使う場合

拠点や担当者が複数にまたがる場合は、記録や署名データをクラウド上で共有できるか、担当者ごとのアカウント管理ができるかを確認しておく必要があります。これは退去立会いに限らず、複数営業所の酒気帯び確認、管理が大変な理由と見直し方のような複数拠点管理全般の課題とも共通する観点です。

まずは無料で試したい場合

導入に不安がある場合は、無料プランや無料の範囲で使えるツールから試し、実際の運用に合うかを確認してから有料プランへの切り替えを検討する進め方もあります。

退去レポという選択肢について

ここまで整理した観点を踏まえ、退去立会いの記録・計算・署名に機能を絞ったアプリの一つとして「退去レポ」が挙げられます。

退去レポは、退去立会いにおける点検記録、経年劣化を踏まえた原状回復費用の概算計算、署名、点検確認書のPDF出力に機能を絞って作られています。家賃管理や入居者管理、契約更新管理といった他の業務は対象外であり、これらを一元管理したい場合は別の総合型アプリや既存の管理システムと併用する必要があります。

できること

  • 退去立会い時の点検項目を記録する
  • 経年劣化を踏まえた原状回復費用を概算で計算する
  • その場での署名、または後日の確認署名を取得する
  • 点検確認書をPDF形式で出力する

できないこと

  • 家賃の入金管理・滞納管理
  • 入居者情報の一元管理
  • 契約書の作成・更新管理
  • 修繕依頼の管理

料金

無料の範囲で基本的な記録・計算・署名・PDF出力の機能を試すことができます。より多くの件数を扱う場合や追加機能を使う場合は、月額980円(税込)の有料プランが用意されています。

退去レポは退去立会いの工程に絞ったアプリであるため、「業務効率化アプリ」として検討する際は、他の業務(家賃管理・入居者管理など)をどう扱うかをあわせて検討する必要があります。他にも同様に工程を絞った選択肢や、総合型のアプリも存在するため、自社の業務範囲と照らし合わせて比較することをおすすめします。

業務効率化・DXを進める際の注意点

国土交通省の資料でも、不動産賃貸業務における書面の電子化やスマホでの署名・非対面化が、消費者の利便性と不動産会社の業務効率向上につながる取り組みとして取り上げられています。出典: 国土交通省「次の住生活基本計画に向けて」

35条書面と37条書面の電子交付が認められれば(宅建業法の業法改正が必要)、消費の利便性、不動産会社の業務効率向上が更に促進される

また、中小機構のITツール活用事例では、ある不動産管理会社がデジタル化を進める過程で、ツールの導入だけでなく社員への説明や評価基準の見直しといった社内制度の整備も並行して行ったという記録があります。出典: 中小機構「デジタル化・AI導入補助金2026 ITツール活用事例」

ソフト導入にあたり、社員の意識や社内制度について改革が進んだと感じています。業務の方法やシステムを変えるなかで、最も大事にしたかったことは社員に誠実に向き合うことでした。

ツールを導入すること自体がゴールではなく、どの業務のどの工程を対象にするかを決め、社内での運用ルールを合わせて整えていくことが、DXを進めるうえでの前提になります。

まとめ

賃貸管理会社の業務効率化アプリを探す際は、業務全体を一度に変えようとするのではなく、退去立会いの記録・計算・署名のように特に時間のかかりやすい工程から着手するという考え方があります。アプリを選ぶ観点としては、対象業務の範囲(総合型か特化型か)、料金体系と無料の範囲、出力形式、署名・本人確認の方法などを比較軸として整理することができます。退去レポのように退去立会いの工程に機能を絞ったアプリも選択肢の一つであり、他の業務との組み合わせ方を含めて、自社の業務範囲に合う形で検討することをおすすめします。

よくある質問

Q賃貸管理会社の業務効率化は、まずどの業務から着手すればよいですか。

A業務全体を一度に変えるのではなく、特に時間のかかる工程を特定することが出発点になります。退去立会いの記録・計算・署名は、紙での手書き記録や電卓での計算、書類の郵送などが重なりやすく、着手しやすい工程の一つとして挙げられます。

Q総合型アプリと特化型アプリ、どちらを選べばよいですか。

A入居から退去まで業務全体を一元管理したい場合は総合型、退去立会いなど特定の工程だけを効率化したい場合は特化型が候補になります。特化型は対象外の業務を別途対応する必要があるため、自社がカバーしたい業務範囲を先に整理しておくことが重要です。

Q退去レポは家賃管理や入居者管理にも使えますか。

A退去レポは退去立会いの点検記録・原状回復費用の概算計算・署名・点検確認書のPDF出力に機能を絞ったアプリです。家賃管理や入居者管理、契約更新管理などは対象外のため、これらを一元管理したい場合は別のアプリや既存システムとの併用が必要です。

Q退去レポの料金はどのくらいですか。

A無料の範囲で基本的な記録・計算・署名・PDF出力の機能を試すことができます。より多くの件数や追加機能を使う場合は、月額980円(税込)の有料プランが用意されています。

Q業務効率化アプリを導入すればすぐに業務が楽になりますか。

Aツールの導入だけでなく、対象業務の範囲を決めることや社内の運用ルールを整えることも並行して必要になります。中小機構の事例でも、ツール導入にあわせて社員への説明や社内制度の見直しを行った記録があります。

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この記事を書いた人

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