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立会いの署名

退去立会いで借主の署名をもらう進め方【手書き・リモート署名の使い分け】

公開日: 2026.11.06読了目安: 6分
退去立会いで借主の署名をもらう進め方【手書き・リモート署名の使い分け】

退去立会いで借主の署名をもらう方法は、大きく分けて2通りです。借主がその場にいる場合は手書きサインをもらい、その場にいない場合はメールアドレスへ送ってリモートで署名してもらう、という使い分けが基本になります。本記事では、この2つの方法をどう使い分けるか、手順とつまずきやすい点を整理します。

坂本大輔 | CalmCraft運営者

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前提の確認:ここでの「署名」は何を意味するか

手順の説明に入る前に、前提をひとつ確認しておきます。退去立会いで借主からもらう署名は、電子署名法上の「電子署名」とは異なります。あくまで「点検内容を確認した旨を示す簡易な記録」であり、それ自体が法的な証拠力を保証するものではありません。

退去立会いの署名は、あとから原状回復費用をめぐってトラブルになった際の「確認記録」として機能する場合はありますが、署名があるからといって、借主に不当な費用負担を強いる根拠にはなりません。国土交通省のQ&Aでも、損傷などがあるとして確認サインをした場合でも、故意・過失などによらない部分については費用負担の必要がないとされています。出典: 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」Q&A

つまり、署名をもらう目的は「立会い時にどの箇所をどう確認したか」を双方が合意した記録として残すことであって、費用の金額や負担区分そのものに同意させるための手続きではありません。この前提を担当者が理解していないと、署名欄の文言次第で借主との認識にずれが生じ、後のトラブルにつながります。原状回復の負担区分の考え方そのものについては負担区分が分からないときの考え方と確認手順でも整理しています。

署名をもらう手順

退去立会いの署名は、おおむね以下の流れで進めます。

  1. 点検内容を確定する 現地での点検(キズ・汚れ・設備の動作確認など)を一通り終え、記録する内容を確定します。写真やチェック項目が固まっていない段階で署名を求めると、後から「言った・言わない」の食い違いが起きやすくなります。
  2. 借主が現地にいる場合は、その場で手書きサインをもらう 確定した内容をその場で借主に見せ、内容に相違がなければ手書きでサインをもらいます。タブレットやスマートフォンの画面に指やペンで書く形でも、紙に記入する形でも構いません。
  3. 借主が現地にいない場合は、メールでリモート署名を依頼する 代理人のみが立ち会う場合や、借主が遠方で立ち会えない場合は、点検内容をまとめた記録を借主のメールアドレスへ送り、オンラインで確認・署名してもらいます。
  4. 署名後の記録を確認する 手書き・リモートいずれの場合も、署名が入った記録が点検時の内容と一致しているかを確認します。あとから内容が書き換えられていないかを確認できる仕組みになっているかどうかも、このタイミングで見ておくと安心です。

手順の順番としては「内容確定→署名依頼→署名後の確認」の3段階が基本です。どの段階を省略しても、後になって確認漏れや認識違いに気づきやすくなります。

以下はチェックリストとして使える形にまとめたものです。

  • 点検内容(キズ・汚れ・設備の状態)を写真とともに記録したか
  • 借主本人が現地にいるか、代理人のみか、不在かを確認したか
  • 現地にいる場合、その場で手書きサインを依頼したか
  • 現地にいない場合、借主本人のメールアドレスを確認し、リモート署名を依頼したか
  • 署名後の記録内容が、点検時の内容と一致しているかを確認したか

つまずきやすい点:借主がその場にいない場合の対応

退去立会いの署名でもっとも対応に迷うのは、借主本人がその場にいないケースです。代理人(家族や引っ越し業者など)だけが立ち会う場合、代理人に署名をもらっても、借主本人が内容を確認したことにはなりません。この場合は、点検内容を記録した上で、後日あらためて借主本人のメールアドレスへ記録を送り、本人にリモートで内容を確認・署名してもらう対応が必要になります。

また、借主がメールの確認を後回しにしてしまい、署名がなかなか返ってこないという状況も起こり得ます。この場合に備えて、リモート署名を依頼する際には、点検内容の記録とあわせて、いつまでに確認してほしいかの目安を伝えておくと、担当者側でも対応状況を管理しやすくなります。

借主が不在のまま担当者や代理人だけで署名欄を埋めてしまうと、「本人が確認していない内容に同意させられた」という認識のずれにつながりかねません。本人確認ができない場合は、空欄のままにして後日リモートで対応する方が安全です。

なお、立会いの場で見積書や請求書そのものへの署名を同時に求められるケースについては、点検内容の確認と費用への同意は本来別のものであるという整理をしておくことも重要です。この点を担当者側が理解しておくことで、借主からの問い合わせにも落ち着いて説明できます。

ツールでの選択肢

退去立会いの署名を記録する方法としては、紙の点検表に手書きでサインをもらう従来の方法のほか、タブレットやスマートフォンのアプリでその場での手書きサインとリモート署名の両方に対応したものを使う選択肢もあります。

退去立会い記録に特化したツールの中には、現地での手書きサインと、借主のメールアドレスへ送るリモート署名の両方に対応し、状況に応じて使い分けられるものもあります。また、点検内容を確定したタイミングの記録を残し、署名後に内容が変更されていないかを確認できる機能を備えたツールも存在します。ただし、こうした機能の有無や仕様は製品によって異なるため、自社の運用に必要な機能が実際に備わっているかを個別に確認する必要があります。

もちろん、同様の機能を持つツールは複数存在するため、自社の立会い件数や運用体制に合わせて比較検討することをおすすめします。退去立会い業務全体の効率化という観点でツールを選ぶ際の考え方は、賃貸管理会社の業務効率化アプリの選び方でも整理していますので、あわせて参考にしてください。

まとめ

退去立会いでの署名のもらい方は、借主が現地にいるかどうかで手順が分かれます。現地にいる場合はその場で手書きサインを、現地にいない場合はメールでリモート署名を依頼するという基本を押さえた上で、署名はあくまで点検内容を確認した旨の簡易な記録であり、費用負担への同意を意味するものではないという前提を担当者自身が理解しておくことが大切です。代理人のみの立会いや本人不在のケースでは無理に署名を急がず、後日リモートで本人確認を取る対応を検討してください。

よくある質問

Q退去立会いの署名は法的にどのような意味を持ちますか?

Aここでの署名は電子署名法上の電子署名ではなく、点検内容を確認した旨を示す簡易な記録です。署名があること自体が、費用負担についての法的な証拠力を保証するものではありません。原状回復費用の負担区分は、署名の有無にかかわらず故意・過失の有無などで判断されます。

Q借主がその場で署名を拒否した場合はどうすればよいですか?

A署名を強要することはできません。点検内容を記録した上で、後日あらためて内容を共有し、確認を依頼する対応になります。内容に納得してもらえない場合は、その旨も記録に残しておくと後のやり取りがスムーズです。

Q代理人が立ち会った場合、代理人の署名でよいですか?

A代理人の署名だけでは、借主本人が点検内容を確認したことにはなりません。本人不在の立会いでは、後日本人のメールアドレスへ記録を送り、リモートで確認・署名してもらう対応が望ましい場合があります。

Qリモート署名を依頼してもなかなか返信がない場合はどうすればよいですか?

A依頼時に確認してほしい期限の目安を伝えておくと、対応状況を管理しやすくなります。それでも返信がない場合は、電話など別の連絡手段もあわせて検討してください。

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この記事を書いた人

坂本大輔 | CalmCraft運営者

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