領収書のファイル名の命名規則で迷ったら、代表的な例は「日付_取引先_金額」の順に並べる形です。たとえば2024年3月31日に株式会社霞商店から受け取った11万円の領収書であれば、「20240331_株式会社霞商店_110000」のようなファイル名になります。この記事では、この基本形をもとに、区切り文字の決め方や長い取引先名の扱いなど、具体的な命名規則の作り方を手順で紹介します。
領収書ファイル名の命名規則、具体例で解説

坂本大輔 | CalmCraft運営者
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まず確認しておきたいこと:何のために命名規則を統一するのか
ファイル名の規則を統一する目的は、大きく分けて2つあります。
1つ目は、あとから特定の領収書を探しやすくするためです。ファイル名がバラバラだと、いつ・どの取引先の・いくらの領収書なのかを開いて確認しないと分からず、探す手間が増えます。
2つ目は、電子帳簿保存法が求める検索機能の確保に対応するためです。国税庁の資料でも、電子取引データの保存方法の一つとして、ファイル名に規則性をもって「日付・金額・取引先」を入力し、特定のフォルダに集約する方法が紹介されています。
②規則的なファイル名を付す方法 データのファイル名に規則性をもって「日付・金額・取引先」を入力し、特定のフォルダに集約しておくことで、フォルダの検索機能が活用できるようにする方法です。 出典: 国税庁
ただし、この並べ方だけで電子帳簿保存法のすべての要件を満たすと断定することはできません。保存方法や検索要件の詳細は取引規模や保存の仕方によって変わるため、最新の内容は、国税庁 電子帳簿保存法特設サイトでご確認ください。
ファイル名の規則は「探しやすさ」と「検索要件への対応」という2つの目的があることを押さえておくと、どこまで細かくルールを作るべきか判断しやすくなります。
なお、電子帳簿保存法への対応を手順に沿って詳しく知りたい場合は、電帳法に沿った領収書ファイル名の付け方【手順でわかる】もあわせて参考になります。
手順1:日付・取引先・金額を決まった順番で並べる
命名規則を作るときの最初の手順は、「どの情報を」「どの順番で」並べるかを決めることです。国税庁の資料で紹介されている例でも、日付・取引先・金額という3つの要素を使った形が示されています。
- (例)2023年1月31日に、㈱AからPDFファイルで受け取った100,000円の請求書なら、「20230131_㈱A_100000」 出典: 国税庁
この例を踏まえると、日付・取引先・金額を使った命名規則の具体例は次のようになります。
- 20240331_株式会社霞商店_110000
- 20240210_国税工務店株式会社_330000
- 20241217_株式会社霞商店_220000
日付を先頭に置くと、ファイル一覧を名前順に並べたときに時系列順に並ぶという利点があります。取引先や金額を先頭にする並べ方も考えられますが、どの順番を選ぶ場合でも、フォルダ内のすべてのファイルで順番をそろえておくことが大切です。
日付の書き方を決める
日付は「年4桁+月2桁+日2桁」の8桁表記(例:20240331)でそろえる書き方が、国税庁の資料や多くのツールの例でも使われています。「2024/3/31」のようにスラッシュを使うと、OSによってはファイル名に使えない記号として扱われる場合があるため、数字だけで表記する形が扱いやすくなります。
金額の書き方を決める
金額は、カンマや円マークを入れずに数字だけで表記する例が一般的です。「110,000円」ではなく「110000」とすることで、記号による表記ゆれを避けられます。
手順2:区切り文字を1つに決める
要素ごとの区切りにどの記号を使うかも、あらかじめ決めておく項目です。よく使われる区切り文字には次のような例があります。
- アンダースコア(_):20240331_霞商店_110000
- ハイフン(-):20240331-霞商店-110000
- 全角スペースや半角スペース:20240331 霞商店 110000
このうち、ファイル名として扱いにくい記号(スラッシュ、コロン、アスタリスクなど)は、OSによってはそもそも使用できないため避ける必要があります。区切り文字そのものに優劣があるわけではありませんが、同じフォルダ内や同じ事業の中で複数の区切り文字が混在すると、検索や並び替えがしにくくなる場合があります。どれか1つに決めて統一しておくことが、運用を続けるうえでのポイントになります。
手順3:長い取引先名の扱い方を決める
取引先の正式名称をそのまま使うと、ファイル名が長くなりすぎる場合があります。たとえば「国税工務店株式会社」のような名称は、法人格(株式会社・有限会社など)の表記をどう扱うかで、ファイル名の長さや見やすさが変わってきます。
具体例としては、次のような扱い方が考えられます。
- 法人格を残す:20240210_国税工務店株式会社_330000
- 法人格を省略する:20240210_国税工務店_330000
- 法人格を略号にする:20240210_(株)国税工務店_330000
国税庁の資料の例でも「(株)霞商店」「国税工務店(株)」のように、法人格を括弧書きの略号にした表記が使われています。 出典: 国税庁
どの方法を選ぶ場合でも、同じ取引先であれば常に同じ表記にそろえておくことが重要です。ある取引では「国税工務店株式会社」、別の取引では「(株)国税工務店」のように表記が揺れると、同じ取引先のファイルを一覧で並べたときにばらけてしまい、あとから検索する際に見つけにくくなる場合があります。
法人格の位置(前株か後株か)や、正式名称と通称のどちらを使うかも、取引先ごとに統一しておく必要があります。「株式会社霞商店」と「霞商店株式会社」は別の文字列として扱われるため、表記ルールを決めておくことが欠かせません。
つまずきやすい点:表記ゆれと重複
命名規則を決めても、運用の中で次のようなつまずきが起きることがあります。
表記ゆれが発生する
同じ取引先でも、全角・半角の違い、法人格の有無、スペースの入れ方などで表記がばらつくことがあります。特に手入力でファイル名を付けている場合、繁忙期や急いでいるときほど表記ゆれが起きやすくなります。表記ゆれを防ぐには、取引先名の一覧表を作っておき、常にそこからコピーして使うといった運用上の工夫が考えられます。
同じ取引先・同じ金額のファイルが重複する
同じ取引先から同じ金額の領収書を複数回受け取ると、ファイル名がまったく同じになってしまう場合があります。たとえば「20240331_霞商店_110000.pdf」という名前のファイルがすでに存在するフォルダに、同じ日付・取引先・金額の領収書をもう1枚保存しようとすると、上書きしてしまったり、保存できずにエラーになったりすることがあります。
この対策としては、ファイル名の末尾に連番を付ける方法(例:20240331_霞商店_110000_01)や、取引内容を一言加える方法(例:20240331_霞商店_110000_備品)などが考えられます。どちらの方法を使う場合も、事前にルールとして決めておくと、都度判断する手間を減らせます。
- 日付・取引先・金額の並び順を決めたか
- 日付の表記(8桁数字など)を決めたか
- 区切り文字を1つに統一したか
- 取引先の法人格表記(残す・省略する・略号にする)を決めたか
- 同名ファイルが発生したときの連番ルールを決めたか
ツールで命名規則の運用を楽にする選択肢
ここまでの手順を手作業で毎回行うと、件数が増えるほど手間や表記ゆれのリスクが大きくなります。命名規則を決めたあとの運用を楽にする方法の一つとして、ファイル名を自動で生成するツールを使う選択肢があります。
ツールを使う場合でも、「どの順番で」「どの区切り文字で」「法人格をどう扱うか」といった規則そのものは、この記事で紹介した手順に沿ってあらかじめ決めておく必要があります。ツールはその規則に沿った変換を代行する役割になります。
Zero-Renameでの命名規則の設定例
ファイル名の自動変換ツールの一つとして、Zero-Renameが挙げられます。Zero-Renameは、公表されている情報によれば{日付}_{取引先}_{金額}の形式を基本として、区切り文字の種類や、法人格表記を省略するかどうかを設定できるとされています。また、同じファイル名が重複する場合に自動で連番を付ける機能を備えているとされていますが、具体的な仕様や動作条件は変更される可能性があるため、利用前に公式情報で確認することをおすすめします。
利用の流れとしては、AIが領収書の画像やPDFを読み取った内容を画面上で確認し、問題がなければそのまま保存する操作を行うと、あらかじめ設定した規則に沿ってファイル名が変換される、という流れが想定されています。ただし、読み取りの精度や対応できる書式の範囲は領収書の形式や条件によって異なる場合があるため、実際の挙動は利用環境によって変わる可能性があります。読み取り内容の確認を挟む運用になっているため、手入力のみに頼る場合と比べて表記ゆれを防ぐ一つの工夫になり得ますが、効果の程度は運用方法や確認の徹底度によって異なります。
なお、こうしたツールを使うことが電子帳簿保存法の要件を満たすことを保証するものではありません。保存方法や検索要件の最新の内容は、国税庁 電子帳簿保存法特設サイトでご確認ください。ツール以外にも、OSの一括リネーム機能や表計算ソフトを使ってファイル名を生成する方法など、複数の選択肢があります。
まとめ
領収書のファイル名命名規則は、「日付_取引先_金額」の順に並べる形が代表的な例として挙げられます。この基本形をもとに、日付の桁数、区切り文字、法人格の扱いといった細部をあらかじめ決めておくことで、表記ゆれや重複といったつまずきを防ぎやすくなります。手作業での運用が負担に感じる場合は、設定した規則に沿ってファイル名を自動生成するツールを選択肢の一つとして検討する方法もあります。
よくある質問
Q領収書のファイル名に使う区切り文字は何がよいですか。
Aアンダースコア、ハイフン、スペースなど複数の例がありますが、記号そのものに優劣があるわけではありません。フォルダ内や事業全体で1つの区切り文字に統一しておくことが、検索や並び替えをしやすくするポイントです。スラッシュやコロンなど、OSによって使用できない記号は避ける必要があります。
Q取引先名の法人格(株式会社など)は省略してもよいですか。
A省略する例、そのまま残す例、略号(株)にする例のいずれも見られます。どの方法を選ぶ場合も、同じ取引先であれば常に同じ表記にそろえることが重要です。表記が取引ごとに変わると、同じ取引先のファイルが一覧で分散してしまう場合があります。
Q同じ取引先・同じ金額の領収書が複数あるとき、ファイル名はどうすればよいですか。
Aファイル名が重複すると上書きや保存エラーの原因になる場合があります。末尾に連番を付ける方法や、取引内容を一言加える方法などが考えられます。あらかじめルールを決めておくと、都度の判断を減らせます。
Qこの命名規則にすれば電子帳簿保存法の要件を満たせますか。
Aファイル名に日付・取引先・金額を規則的に入力する方法は、国税庁の資料でも検索機能を確保する方法の一つとして紹介されています。ただし、保存方法や検索要件の詳細は状況によって異なるため、この記事の命名規則だけで要件を満たすと断定することはできません。最新の内容は、国税庁 電子帳簿保存法特設サイトでご確認ください。
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坂本大輔 | CalmCraft運営者
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