スマホで撮った領収書の写真を整理する方法は、結論から言うと「撮影時に見やすく撮る」「あとで判別できるファイル名を付ける」「一定のタイミングでまとめて処理する」という3つの手順に分けて考えると進めやすくなります。写真をカメラロールに撮りためたまま放置すると、月末や確定申告の時期にどれが何の領収書か分からなくなり、探す作業に時間を取られることがあります。この記事では、撮影の工夫から整理の手順、つまずきやすい点、ツールで楽にする選択肢まで順を追って説明します。
結論:「撮り方を整える」「ファイル名を付ける」「定期的にまとめて処理する」の3段階で考えると、写真のまま散らばった領収書も整理しやすくなります。
前提の確認:写真のまま残すと何に困るか
スマホで領収書を撮影すること自体は、電子帳簿保存法の要件を満たす形で行えば記帳・保存の手段として認められています。国税庁の資料でも、紙で受け取った領収書をスマホで読み取って保存する方法が紹介されています。
経費の領収書やレシートをスマホで撮影して経理処理・保存 出典: 国税庁
ただし、撮った写真をそのままカメラロールに置いておくと、次のような困りごとが起きることがあります。
- どの写真がいつ・どこで発生した経費か、ファイル名や一覧表示だけでは判別できない
- プライベートの写真と混ざり、経費関連の写真だけを探し出すのに時間がかかる
- 日付や取引先名での検索ができず、確定申告や経費精算の時期に見返す作業が増える
- 電子帳簿保存法のスキャナ保存の要件(取引年月日・金額・取引先などでの検索ができる状態)を満たしにくくなる
国税庁の一問一答でも、スマートフォンによる読み取りがスキャナ保存の対象になり得ることが示されています。
平成28年9月30日以後に行われた承認申請については、例えば、スマートフォンやデジタルカメラ等についても、上記の入力装置に該当すれば、「スキャナ」に含まれることになります 出典: 国税庁
つまり、撮影自体は問題なくても、「あとから検索・確認できる状態」にしておくことが整理の前提として必要になります。写真を撮りっぱなしにせず、名前を付けて分類する工程まで含めて「整理」と考えておくと、後で困りにくくなります。
手順1:領収書 撮影のときに整える工夫
整理のしやすさは、撮影の時点である程度決まってきます。まず撮影時に意識できる点を確認します。
傾きやぶれ、照明不足があると、後で文字を読み返すときに判読しづらくなったり、OCR(画像から文字を読み取る技術)を使う場合に認識精度が変わったりすることがあります。精度を保証するものではありませんが、撮影時に平らな場所で真上から撮る、明るさを確保するといった工夫は、後工程の負担を減らす方向に働くことがあります。
手順2:ファイル名を付けて整理する
撮影した写真は、できれば撮影した直後か、その日のうちにファイル名を変更しておくと、あとで探しやすくなります。ファイル名には次のような情報を含めておくと、検索や並べ替えがしやすくなります。
- 取引年月日(例:20240415のような8桁表記)
- 取引先名
- 金額
例えば「20240415_〇〇文具店_3300円.jpg」のような形式にしておくと、ファイル名だけで内容がある程度把握でき、日付順に並べ替えたときも時系列が分かりやすくなります。電子帳簿保存法のスキャナ保存では、取引年月日・取引先・金額で検索できる状態にしておくことが求められる場合があるため、ファイル名にこれらの情報を含めておくことは、検索要件への対応という観点でも役立つことがあります。具体的なファイル名の付け方のルールについては、電帳法に沿った領収書ファイル名の付け方でも詳しく解説しています。
手作業でファイル名を付ける場合は、写真を一枚ずつ開いて内容を確認し、リネームする作業が発生します。枚数が少ないうちは負担になりませんが、月末や繁忙期にまとめて何十枚も処理しようとすると、確認作業だけでかなりの時間がかかることがあります。
手順3:まとめて処理するタイミングを決める
撮影のたびにファイル名を付けるのが理想ですが、現実には難しい場合も多いため、「週に一度」「月末に一度」など、まとめて処理するタイミングをあらかじめ決めておくと運用しやすくなります。
- 撮影した領収書の写真を専用フォルダやアルバムに集める
- 決めたタイミング(週次・月次など)でフォルダを開き、写真を一枚ずつ確認する
- 取引年月日・取引先・金額を読み取り、ファイル名を付け直す
- 会計ソフトや保存用のフォルダ・クラウドストレージに移動する
- 元のカメラロールから該当写真を削除するか、別アルバムに退避させる
この流れを決めておくことで、「いつか整理しよう」と先延ばしにして写真が溜まり続ける状態を避けやすくなります。
まとめて処理する場合でも、処理する前の写真が別の操作で消えてしまわないよう、専用フォルダやアルバムに分けておくことをおすすめします。
つまずきやすい点
整理を進める中で、次のような点でつまずくことがあります。
撮影時のぶれ・傾き
手ぶれや傾きがあると、後で見返したときに金額や日付が読み取りにくくなることがあります。撮影直後にプレビューで文字が判読できるか確認し、怪しければ撮り直しておくと、あとの確認作業がスムーズになります。
ファイル名の付け忘れ
撮影した直後は内容を覚えていても、数日経つと「これは何の領収書だったか」が分からなくなることがあります。撮影からファイル名付けまでの間隔が空くほど、確認に時間がかかりやすくなるため、できるだけ早いタイミングで名前を付けておくことが望ましいです。
JPG PNGと複数の画像形式が混在する
スマホのカメラアプリや、スクリーンショット、スキャンアプリなど、撮影・取り込みの方法によってJPGやPNGなど保存形式が混在することがあります。形式が異なっていても内容の確認や保存自体は可能ですが、フォルダ内で形式がバラバラだと、ファイルの一覧性が下がり、目的の領収書を探しにくくなる場合があります。
保存先が分散する
スマホ本体、クラウドストレージ、パソコンのフォルダなど、保存先が複数に分かれていると、「あの領収書はどこに保存したか」を思い出せなくなることがあります。保存先を一つか二つに絞り、ルールを決めておくと管理しやすくなります。
ツールで楽にする選択肢
ここまでの手順を手作業で行う場合、撮影・確認・ファイル名付け・保存先への移動という一連の作業を、領収書の枚数分繰り返す必要があります。枚数が増えるほど、この作業にかかる負担も大きくなりがちです。
こうした作業を補う選択肢の一つとして、画像からファイル名を自動生成するツールがあります。例えば弊社で提供している「Zero-Rename」は、PDFに加えてJPG・PNG形式のスマホ写真にも対応しており、PDFの場合と同様の流れで、AIが取引年月日・取引先・金額の読み取りを試みる機能を備えており、読み取れた内容をもとにファイル名の候補を提示します。読み取りの精度は写真の状態や記載内容によって変動することがあるため、生成されたファイル名は保存前に確認する仕様になっています。
具体的には、/app画面にスマホで撮影した領収書の写真をドラッグ&ドロップすると、向きの補正を試みたプレビューと読み取り結果が並んで表示される、という画面構成になっています(補正や読み取りの結果は、撮影時の条件によって変わることがあります)。表示される読み取り結果は撮影条件や記載内容によって精度が変わる場合があり、内容を確認したうえでまとめて保存する、という使い方を想定しています。読み取り結果の確認はユーザー側で行う仕組みのため、撮影時の傾きやぶれ、照明の状態によって読み取りやすさが変わることはありますが、読み取り後の内容を確認してから保存する流れになっているため、誤りに気づいた場合は保存前に修正する余地があります。
このようなツールはあくまで選択肢の一つであり、他にも家計簿アプリのレシート読み取り機能や、経費精算システムに付属する撮影機能など、さまざまなサービスが存在します。自分の運用(枚数、頻度、会計ソフトとの連携の有無など)に合わせて比較検討することが望ましいです。
手作業での整理が負担に感じる場合は、ファイル名の自動生成機能を持つツールを試し、手順のどこを省力化できるか確認してみるのも一つの方法です。
まとめ
スマホで撮った領収書の写真を整理する方法は、「撮影時に傾きやぶれ、照明を意識する」「取引年月日・取引先・金額を含めたファイル名を付ける」「決めたタイミングでまとめて処理し、保存先に移す」という3つの手順を押さえることがポイントです。撮りっぱなしにせず、早いタイミングで内容を確認してファイル名を付けておくと、後から探す手間を減らしやすくなります。手作業での処理が負担に感じる場合は、ファイル名を自動生成するツールを選択肢の一つとして検討してみてください。