シフト表をエクセルから卒業する際、エクセルのファイルを別の管理ツールにそのまま置き換えようとすると難しく感じがちです。しかし「スタッフの希望の集め方」と「確定後の連絡経路」という2つの入り口から見直すと、移行の手順を整理しやすくなる場合があります。
この記事では、エクセルでシフト表を作成・管理している現場の管理者の方に向けて、具体的にどう移行すればよいかを手順に沿って解説します。
結論:エクセルから卒業する第一歩は「希望の集め方」と「確定連絡の経路」をLINEに置き換えることです。全体の仕組みを一気に変えるのではなく、この2点から着手することで、移行の手順を段階的に進めやすくなる場合があります。
移行の前に:今エクセルで何を手作業しているかを書き出す
移行の手順に入る前に、現在エクセルでどの作業を手作業で行っているかを一度書き出しておくことをおすすめします。書き出す項目は以下のようなものです。
この書き出しをしておくと、エクセル管理の中でどこに限界を感じているか、集計なのか、転記なのか、連絡なのか、どこに負担が集中しているかが見えてきます。実務の現場を見ていくと、負担が集中しやすいのは「集める」工程と「伝える」工程であることが多く、ここを見直すことが移行の出発点になりやすいといえます。
移行の手順
①スタッフの希望の集め方を決める
まず、スタッフから希望シフトをどう提出してもらうかを決めます。エクセルファイルをメールやチャットで送って記入してもらうやり方は、ファイルの行き違いや記入漏れが起きやすく、管理者側で内容を転記し直す手間も発生します。
希望の集め方をLINEでの提出に置き換えると、スタッフは普段使っているLINEのトーク上で希望を送る形にでき、ツールによっては管理者側がその内容を一覧で確認できる仕組みを備えている場合があります。ただし、実際にどの程度の工数が削減されるかは導入事例や運用実績によって異なります(確認方法や表示のされ方は利用するツールや設定によって異なります)。この部分は、シフト管理をLINEだけで完結させる運用について書いた現場のシフト管理をLINEだけで完結させる方法はある?でも触れていますので、あわせて参考にしてください。
②曜日ごとの必要人数を決める
次に、曜日ごとに何人必要かを事前に決めておきます。これはシフト表エクセルで表を作る際にも必要な工程ですが、エクセル管理では「なんとなくこのくらい」という感覚に頼りがちで、担当者が変わると基準があいまいになりやすい部分です。
曜日ごとの必要人数を先に明文化しておくことで、後の工程で「誰が入っていないか」「どこが足りないか」を確認しやすくなる場合があります。
③シフト案を作る方法を決める
希望と必要人数がそろったら、シフト案をどう組むかを決めます。エクセルでの手作業では、提出された希望を見ながら一人ずつ手でセルを埋めていくため、人数が増えるほど時間がかかります。
ここをツールに任せる場合、ツールによっては、管理者が現場の管理画面で曜日ごとの必要人数を設定しておくと、スタッフの提出内容をもとにシフト案を自動作成する機能を備えているものもあります。手作業で一人ずつ組むか、こうした自動作成の仕組みを使うかによって、シフト案を作る工程にかかる負担は変わってきます。
④確定後の連絡方法を決める
最後に、確定したシフトをどう伝えるかを決めます。エクセルの場合、確定後にファイルを再配布したり、口頭やメッセージで個別に伝え直したりすることが多く、この工程で伝達漏れが起きやすくなります。
確定連絡の経路をLINEに統一しておくと、確定した内容がスタッフの手元に直接届く形になり、紙やファイルを経由する工程を減らせる場合があります。
つまずきやすい点
移行の手順を進めるうえで、特につまずきやすい点が2つあります。
希望の集計ミス
エクセルで希望シフトを手作業で集計する場合、提出されたシフト希望をエクセルの表に手で転記する過程でミスが起きることがあります。これは手作業でのシフト管理において典型的に起こりやすい悩みの一つで、提出人数が多いほど転記の量が増え、見落としや二重入力につながりやすくなります。
転記作業そのものをなくさない限り、集計ミスのリスクは残り続けます。希望の提出から一覧化までを一つの経路にまとめることが、ミスのリスクを下げる工夫の一つとして考えられます。
確定後の変更が一部にしか伝わらない
シフトは確定した後も、体調不良や急な予定変更などで差し替えが発生します。このとき、変更内容を伝える連絡先がバラバラだと、一部のスタッフにしか変更が伝わらず、現場で人数の食い違いが起きることがあります。
確定連絡と同じ経路で変更連絡も行うようにしておくと、どこで誰に伝え忘れたかを確認しやすくなります。
ツールで楽にする選択肢
ここまでの手順は、エクセルを使い続けながらでも部分的に取り入れることができますが、「希望の提出」「シフト案の作成」「確定・変更の連絡」をひとつながりの流れとして扱えるツールを使う選択肢もあります。
そうしたツールの一つに、LINEを使ってシフト希望の提出・シフト案の作成・確定や変更の通知を行う機能を備えた「カンタンシフト」というサービスがあります(本記事では数あるツールの一例として、機能面を中心に紹介するものであり、特定サービスの利用を推奨する意図はありません)。スタッフ側は専用アプリのインストールやアカウント登録を必要とせず、普段使っているLINEのトーク上でやり取りができる仕組みとして提供されています(対応できる範囲や必要な設定は利用環境によって異なります)。
管理者が現場の管理画面で曜日ごとの必要人数を設定しておくと、スタッフから提出された希望をもとにシフト案を自動で作成する機能が用意されており、①〜③の手順に対応する形になっています(作成されるシフト案の精度や調整の要否は、設定内容や現場の条件によって異なります)。確定したシフトや、その後の変更についてもLINEで通知する機能があり、④の連絡方法に対応する機能もあわせて備えられています(通知のタイミングや到達状況は利用環境や通信状況によって異なる場合があります)。
料金については、公式サイトの情報によると、0〜10人規模までを対象としたフリープラン(0円/月)が用意されており、ここから始めることができるとされています(プラン内容や料金は変更される場合があるため、利用の際は最新の情報をご確認ください)。規模が大きくなった場合や、他の機能が必要になった場合には有料プランを検討する、という進め方も可能です。
こうしたツールはカンタンシフト以外にも複数存在しており、どれを選ぶかは現場の人数や運用の仕方によって変わってきます。選び方そのものについては、小規模店舗向けシフト管理ツール、無料で試せるものはどれ?選び方を解説でも整理していますので、あわせてご覧ください。また、シフト表の作成に時間がかかる原因そのものを詳しく知りたい場合は、シフト表作成に時間かかりすぎる理由とは?原因と減らし方を解説も参考になります。
まとめ
シフト表をエクセルから卒業する方法は、ファイルそのものを置き換えることではなく、「希望の集め方」と「確定連絡の経路」をLINEに置き換えることから始めると手順として整理しやすくなります。
なお、以下の4つの手順はあくまで一般的な流れであり、現場の規模や運用方法によって順序や進め方を調整する必要がある場合があります。たとえば、希望の集め方だけを先にLINEへ切り替え、確定後の連絡方法を従来のまま残してしまうと、情報の経路が分散してかえって伝達漏れが起きやすくなるといった失敗も見られます。各手順をセットで見直すことが重要です。
- スタッフの希望の集め方を決める
- 曜日ごとの必要人数を決める
- シフト案を作る方法を決める
- 確定後の連絡方法を決める
この順番で見直していくと、どこが手作業のまま残っているか、どこをツールに任せられるかが明確になります。希望の集計ミスや確定後の連絡漏れといったつまずきやすい点を踏まえたうえで、必要に応じてツールの利用も選択肢に入れてみてください。